今回は、NHKの人気番組「ファミリーヒストリー」で話題を呼んだ神回、俳優の草刈正雄さんの父親探しの旅について紹介したいと思います。
草刈さんは生まれた時から母親と二人暮らしで、父親についてはほとんど知りませんでした。
しかし、番組の協力で父親の情報を探り始めると、驚くべき事実が次々と明らかになりました。
この記事では、そのエピソードを詳しくお伝えします。
父親について知っていたことは名前だけ
草刈さんは、生まれた時から母親と二人暮らしでした。
父親については、名前と朝鮮戦争で戦死したということしか知りませんでした。
母親も写真もなく、詳しい話をすることはありませんでした。
草刈さんは父親についてもっと知りたいと思い、番組にできるかぎりの情報提供を協力してくれました。
父親の情報はほとんどなく、調査は難航
しかし、父親の情報はほとんどありませんでした。
所属する軍も分からず、名前のスペルも不明でした。番組はインターネット上の公的機関の個人情報を集約したサイトを使って調査を始めましたが、なかなか手がかりが見つかりませんでした。
そこで、番組は名前の対象範囲を広げたり、草刈さんの過去のインタビュー記事から出身地がノースカロライナ州だということを突き止めたりしました。
そして、該当する人物にメールや手紙を送り続けました。
三か月後に返事があり、遺伝子検査で血縁が判明
すると、三か月後に一人から返事がありました。
その人は草刈さんの父親の従兄弟だということが遺伝子検査で判明しました。
ようやく見つかった父親の情報は驚くべきものでした。
父親は草刈さんに似たハンサムな顔立ち
父親は草刈さんに似たハンサムな顔立ちでした。
祖父が難病に苦しみ他界した後、家計を助けるために18歳で空軍に入隊しました。
日本では福岡県の築城空軍基地で郵便隊に所属し、朝鮮戦争に派遣されました。
草刈さんは初めて父親の顔を見て、「似てますよね」と感慨深げに話しました。
母親は電車の車掌をし、ある日ロマンチックな出会いを果たす
一方、草刈さんの母親は福岡県行橋市出身でした。両親が離婚したために7歳で奉公に出され、18歳で電車の車掌となりました。当時女性の憧れの職業だったそうです。
二人の出会いはロマンチックでした。
一人しか渡れない橋で鉢合わせして道を譲り合ったそこで出会ったという話を草刈さんは聞いていました。空軍基地は母親が担当する電車の休憩ポイントだったそうです。
出会ってまもなく同棲を始め、彼が羽田の任務になるとついて行きました。母親はアメリカに行くつもりだったらしいです。
母親は苦労の連続で、草刈さんを一人で育てた
しかし、その後の母親の人生は苦難の連続でした。
お腹が大きくなった状態で地元に戻り、「行くところがない」と言って友人の家に出産まで滞在しました。
家族にも内緒で草刈さんを出産しました。渡米を意識し、父親の実家に連絡しましたが、父親の姉からの手紙ですべてを悟りました。
親戚に迷惑がかかるということで小倉で生活しました。両親だけは野菜やお金など援助してくれました。
草刈さんは母親の苦労を知っています。
「相当苦しかったと思うんですね、何度か、僕を抱いて電車にってことがあったらしいですよ。ただ、赤ん坊の僕を見て、できなかったって言うようなことを聞きました」
と悲痛な表情で話しました。
父親もまた、日本での出来事を誰にも話さず、神経衰弱に
父親もまた、日本での出来事を誰にも話すことはありませんでした。幹部候補生になる学校に入り、学校の方針でアメリカに戻りました。
私生活の規律の厳しい家だったため、神経衰弱になりました。西ドイツに派遣され、草刈さんの母親から手紙が彼の実家に届いたころにはアメリカにはいませんでした。その後結婚し、ノースカロライナ州の墓地に妻と一緒に埋葬されています。
草刈さんは母親と二人で東京で暮らし、芸能界入り
母親は草刈さんの身だしなみに気を使い、他人に迷惑をかけるとすごく怒りました。
中学生の時は新聞配達、卒業後は昼間働きながら定時制高校に通いました。
その後、お金のため芸能の仕事を始め、その後、草刈さんは母親を東京に呼び、と二人暮らしをしていました。
草刈さんは母親について、
「僕にとっては父親を結構褒める人でしたから、それはちょっとほっとしてましたけどね」
と語っています。
父親の伯母から手紙が届き、会いに行くことに
その後草刈さんは父親の伯母から手紙を届いたことをきっかけに、会いに行くことを決意しました。
複雑な気持ちがあり迷いましたが、手紙が沁みましたと静かに話しました。
ここで番組はエンディングへ。
その渡米の様子はまた別途放送されるそうです。
まとめ
私はこの番組を見て、涙が出そうになりました。
番組内で、草刈さんも何度も言葉を詰まらせるシーンがあり、とても感動的でした。
草刈さんは父親について知ることで、自分のルーツやアイデンティティを探求することができたのではないでしょうか。また、母親の愛情や努力にも感謝することができたのではないでしょうか。
私も自分の家族についてもっと知りたくなりました。
